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パワーステアリングとは
パワーステアリングとは、ドライバーが車のハンドルを回す力を補助するシステムのことです。電動式と油圧式の2種類があり、それぞれ仕組みや特徴が異なります。
電動式パワーステアリング
現在主流となっているのは、電動式パワーステアリングです。モーターを動力源としてハンドルを回す力を補助します。電流のオンとオフで制御できるため、低速時や駐車時であっても最適なハンドル補助が可能です。しかし、出力や操舵フィーリングは油圧式に劣ります。
油圧式パワーステアリング
電動式パワーステアリングが普及する前に主流となっていたのが、油圧式パワーステアリングです。油圧式パワーステアリングは、エンジンの力でポンプを作動させ、油圧によってハンドルを回す力を補助します。コストが安く、大きな力を生み出せるため、大型車にも適しています。しかし、エンジンの回転力を利用して油圧を生み出すため、低速では大きな力を発生させにくい点や、オイル漏れなどを防ぐためにこまめなメンテンナンスが必要といったデメリットがあります。
パワーステアリングの故障原因
突然ハンドルが重くなったときは、パワーステアリングの故障が考えられます。ここでは、電動式と油圧式それぞれの故障原因を解説します。
電動式パワーステアリングの故障原因
電動式パワーステアリングに不具合が生じた場合は、警告灯が点灯します。電動式の故障原因は以下のいずれかです。
- 電動モーターの故障
- コンピューターの故障
- パワステポンプの故障
電動式の場合、コンピューターの故障が主な故障原因として挙げられます。また、停車した状態でハンドルを何度も切ると、モーターの温度が上昇してハンドルが重くなることがあります。この現象は一時的なものであり、故障ではありません。しばらくハンドルを動かさずに待っていればハンドルは軽くなります。
油圧式パワーステアリングの故障原因
油圧式の故障原因として考えられるのは、以下のいずれかです。
- ベルトの劣化、破損
- パワーステアリングフルードの不足
- ポンプの故障
- オイル漏れ
油圧式の場合、パワーステアリングフルードの不足が主な故障原因として挙げられます。そのため、オイルを補充すれば改善するケースが多くあります。しかし、ベルトやポンプの故障、オイル漏れの可能性もあるため、ハンドルを操作しにくくなったと感じたら、早めにディーラーや整備工場で確認してもらいましょう。
パワーステアリングの修理費用
電動式と油圧式それぞれの修理内容ごとの費用をご紹介します。
電動式パワーステアリングの修理費用
電動式パワーステアリングの場合、モーターやコンピューターが故障すると、数万円から数十万円の高額な費用がかかります。
【電動式パワーステアリングの修理費用】
修理内容 | 修理費用 |
---|---|
電動モーターの故障 | 10万~30万円 |
コンピューターの故障 | 5万~10万円 |
パワステポンプの故障 | 3万~7万円 |
油圧式パワーステアリングの修理費用
油圧式パワーステアリングの故障原因の多くは、パワーステアリングフルードの不足です。オイルを補充するだけであれば、3千円程度で済みます。しかし、ポンプが故障している場合は、ポンプの交換や修理が必要なため、数万円の費用がかかります。
【油圧式パワーステアリングの修理費用】
修理内容 | 修理費用 |
---|---|
ベルトの劣化、破損 | 5千~1万円 |
パワーステアリングフルードの不足 | 3千円 |
ポンプの故障 | 3万~7万円 |
オイル漏れ | 5万円 |
修理の前に査定に出すメリット
パワーステアリングに不調を感じた場合、その車に3年以上乗っているのであれば、修理する前に車を査定に出すことをおすすめします。パワーステアリングを修理する前に査定に出すメリットを2つご紹介します。
新車への乗り換えを検討できる
パワーステアリングの修理は、修理部分によっては数十万円の費用がかかります。そのため、3年以上乗っている車であれば、新車への乗り換えを検討するのにおすすめのタイミングといえます。車を査定してもらい、納得のいく価格であれば新車に乗り換えるのもよいでしょう。新車に乗り換えれば、パワーステアリングの修理費用を節約できるだけでなく、車検代も3年後まで支払う必要がありません。
愛車の価格を把握してから検討できる
査定額に納得できなければ、パワーステアリングを修理しましょう。愛車の価格を把握してうえでパワーステアリングの修理を検討できるため、修理前に査定に出すことをおすすめします。